と。

「……?」

私は目を擦った。

…水平線の向こうから、何か近づいてくるのが見えたような気がしたからだ。

もう一度、よく目を凝らす。

間違いない。

何か近づいてくる。

黒い、大きな背びれ。

それは迷わずこのボートに一直線に接近してきて。

「!!!!」

船底に体当たりする!

大きく揺れるボート。

私もレイも、ボートの上で転倒する。

「何だ!?」

素早く拳銃を抜き、水中に視線を向けるレイ。

「……」

私は彼よりも早く、その背びれの正体に気がついていた。