慧が、死んだ。

13年も一緒に居た、大切な片割れの死。

それは悲しみしか与えないものだった。

「泣きたいなら泣きなさい。
誰も止めないよ。
これから、泣く暇もない位
忙しくなるはずだから、
今のうちに泣いておきなさい。
俺は側に居るから。」

父親の優しさが心に染みて、
耀は泣きたくなった。

やがて耀は静かに泣いた。
尚翔は耀を抱き締め、
しばらく背中を摩って
気が済むまで泣かせていた。