2月になった。

七海の試験が近づいている。

桔梗館は高校にしては
珍しい学科がたくさんあって、
将来手に職がつけられると
人気の学校だった。

それだけに競争率は高い。

一応、滑り止めに
いくつかの高校を
受験する事にはなっているが、
七海が本当に
通いたいのは桔梗館である。

母親が昔通っていたのもあるが、
通いたいと言い出したのは七海自身だ。

七海の成績は
可もなく不可もなく
至って普通なので、
私立に受かるためには
猛勉強をしなくてはいけないのだった。

ちなみに、可憐も
同じ学校を志望していた。

つまりまた同じ学校という訳だ。

七海は恋の争いには負けたが、
進路では負けたくなかった。