尚翔達の順番が来る。

五円を賽銭箱に投げ入れ、
ガラガラと鳴らして
手を叩き、祈る。

隣で、可憐も同じように祈って、
尚翔の後を追い掛けた。

「何お願いしたの?」

「可憐は?」

「内緒。」

「ずるいなぁ。」

「言ったら叶わない
気がするんだもん。」

「じゃ、俺も言わない。」

「えーっ。」

「そっちが
言わないんだから当たり前だろ。
いつか解るよ。」

「むぅ。」

可憐はそう言うと、
両頬を膨らませてむくれた。