年が明けた。

初詣はいつものメンバーと行った。

洋祐は来なかった。

やはり可憐と会うのが
気まずいのだろう。

可憐は振袖で
ばっちり決めていて、
可愛らしかった。

尚翔は可憐の振袖姿を見て、
ドキドキした。

普段見慣れないからだろうか。

尚翔は可憐の耳元でこっそり言った。

「…可憐、似合ってるよ。」

可憐は微笑んで、
「ありがとう。」と言った。

それを七海が茶化す。

「あ~熱い熱い。
いちゃつくのは良いけど、
あたしらの居ない所でやってよね。」

「別にいちゃついてなんか…。」

「どうだか。」

七海はにやにやしている。

「…もうっ、ナオ。助けて!」

可憐がしがみついてきた。

「七海、あんま可憐を
いじめてやるなよ?」

「からかってるだけよ。」

「もっと悪い。」

「ちぇ。」

七海は二人がうらやましいだけなのだ。

新しい彼氏を作ると
宣言したのはいいが、
尚翔ほどときめく存在には
なかなか巡り会えないのである。

焦らずやろう、
そう言い聞かせて
皆の後をついていった。