やがて、2人が帰ってきた。

だけど可憐の様子は
どことなく変だった。

元気がない。

「遅い!!」

その様子には気づかない七海。

渉も特に何も言わない。

相変わらずヘッドホンをして
音楽を聞いているだけだ。

気づいていないのか、
はたまた気づかない
フリをしているのか。

全く読めなかった。

おまけに洋祐は洋祐で
落ち込んでいるようだし、
出掛けている間に
何かあったのだろうか。

可憐はすぐに顔を上げて
笑顔になり、言った。

「ごめんごめん。
さ、パーティー始めよう。」

「もう、しょうがないなぁ。
可憐の可愛さに免じて許してやるか。
さ、皆座って。
料理が冷めちゃう。」

尚翔は可憐の不自然な
笑顔が少しだけ気になったが、
とりあえずパーティーが
始まったので参加した。