体育祭も無事終わり、
叔父と叔母は帰って行った。

生徒たちはテントの
片付けなどを行っていた。

尚翔はと言えば、保健室に居た。

記録の仕事が終わってしまえば、
特にする事も無いので暇だったのだ。

「…ねぇ、倉田くん。
クラスには慣れた?」

保健室の先生、駒子先生が
尚翔の足をマッサージしながら言った。

マッサージは、駒子先生から
言い出した事だった。

普段あまりしない事だったが、
申し出は嬉しいので素直に受けた。

「…まぁ、何とか。」

「辛かったらいつでも来なさいね。
足の事で色々言われたりする
事も多いでしょうから。」

「はい、でも
気にしないようにしてますから。」

「そう?
それなら良いんだけど…。」

その時だった。

「先生~、ちょっと来て下さい!!」

声だけで七海だとすぐ解るのは、
一緒に居るからだろうか。

「はいは~い。
あら、杉原さん。」

駒子は入り口まで行き、
立っていた七海の姿を見て言った。

「グラウンドに気分悪い人
いたから呼びに来ました。」

「あら、そうなの?
ありがと、杉原さん。
じゃあ、行ってくるわね。」

駒子は走って行った。