中学3年生の尚翔は、今年受験である。

思いがけぬ引っ越しで、
志望校を変更しなければ
ならないのかと少し焦ったが、
何とか変えずに済んだ。

尚翔はどうしてもそこに通いたかったのだ。

両親の母校でもあるし、昔から決めていた。

突然の事で色々な事が狂ったが、
何とか元通りに近い生活を
取り戻しつつある。

新しい中学は、叔父の家から
5分という近距離にあった。

通学が楽なのは嬉しい。

尚翔は、両親を亡くした事故で
左足をダメにした。

両親の運転する車に、
尚翔も乗っていたのだ。

今後、杖無しで歩く事は
難しいと診断された。

ショックだった。

落ち込んで、毎日泣いた。

それでも尚翔を引き取ってくれた
叔父夫婦には感謝している。

志望校は受け入れる姿勢を
示してくれているし、
あとは頑張って勉強をするだけだ。