風の吹く町

体育館を一般解放して
作られた昼食会場には、
早くも家族連れで大にぎわいだった。

あらかじめ、七海の家族が
場所を取っていてくれたので助かった。

叔母が「お世話になります。」と
七海の両親に挨拶をしていた。

「あれ、七海以外は居ないの?」

「探したんだけど、可憐も
洋祐も渉も皆捕まらなかったのよ。」

「そうなんだ。」

「一応約束は取り付けておいたから、
後で来るでしょ。」

「そか。」

そんな話をしていたら、
目の前にお弁当が広げられた。

叔母特製のお弁当だ。

他にも七海の母親が
作ってきた弁当もある。

「どんどん食べて。」

「いただきます。」

「いただきまぁす。」

尚翔は好きなものをお皿に取り、
一口食べた。

やはり叔母の作る料理はおいしい。

「どう?七海ちゃん。」

「すごくおいしいです。」

「良かったわ。」