和室。

叔父が座ると同時に、
尚翔は切り出した。

「…昨日はごめん。
でも、俺は体育祭には出ないから
来ても意味は無いと思う。」

「意味はなくても、俺は行くぞ。」

「え?」

「たとえ自分の子供じゃなくったって、
可愛い甥っ子の
学校の体育祭なんだ。
見に行かない訳が無いよ。
それに、競技には出なくても、
その場に居るんだから、
それを見に行くのだっていい。
係はやっているのか?」

「…記録係。」

「じゃあ俺はその様子を見に行くよ。
ナオが学校でどういう
友達と仲良くしているのかも
気になるからな。
…そういうのは嫌か?」

「…嫌じゃない。」

「だったら、見に行くよ。
後でプログラムをよく見せてくれ。
あと、叔母さんにも
ちゃんと謝るんだぞ。」

「うん…。」

「確かにお前の親は
あの2人しか居ない。
だけど、叔母さんだって
家族になろうと
頑張ってくれているんだ。
それを解ってくれ。」

「…うん。」

尚翔はそう返事をすると
リビングに戻り、
叔母に謝った。