ある日。

休日だった為、尚翔は部屋に居た。

すると、叔母が来て、
「お友達が来てるわよ。」と、呼んだ。

尚翔は首を傾げた。

こっちでの友達に
この場所を教えた事は無いのだが。

杖をついて玄関に行くと、
意外な人物が居た。

「…七海!!」

「えっへへー、来ちゃった。」

「何でここが?」

「最初は先生ちょろまかして
住所調べようと思ったけど、
それは犯罪かと思って、昨日帰る尚翔くんをつけちゃった。」

「七海…それもっと悪いよ。
言ってくれれば教えるのに。」

「ま、友達だから
多少の事は多目に見てよ。」

「しょうがないなあ。
今回だけだよ?
…で、何の用?」

「あたしと、デートしない?」

「デート?」

「そ。」

「でも、そういうのって
普通、付き合ってから
するもんじゃないの?」

「いいから、二人きりで遊ぼうよ。」

「…解ったよ、
準備するからちょっと待って。」

「わーい。じゃあ待ってる。
逃げちゃダメだからね!」

「逃げないよ。」

尚翔は七海の強引さに
呆れながら部屋に戻り、
斜め掛けバッグを肩に掛け、
叔母に出掛けてくると
伝えて玄関に戻った。

「じゃあ、行こうか。」

「うん。」

二人は出発した。