そう思い、教室を出て一緒に階段の踊り場に来た。



「水原さんのこと、前からいいなって思っててさ…」

「司しかいらない」

「あっ、だよね…。うん、わかってるんだけど…」

「ごめんなさい」



司に会いたい…。



司がいない…司が心配…。



司…司…。



「司が…」

「えっ!?どうしたの!?俺なんか言った!?」

「司が病気だったらどうしよう~…」



司以外の人の前で泣くなんて思ってなかった…。



完璧に困らせてる先輩は、しゃがみ込んで泣いてるあたしの背中を摩ってくれた。



何してんだろうあたし…。



涙が止まんない…。



「大丈夫?」

「ごめ…んなさい…」

「保健室行く?」

「行かな!?」



グッと腕を掴まれてボフッと何かに押し付けられた。



これって…。



抱きしめられてる。



「なに泣いてんの。お前泣かせた?」



司だ…。



司の腕だ…。