『只今の死亡人数…77人』


「増えてる…」


あおいは震えた。


「ここから逃げた方が…」


「見ぃつけたぁ★」


「ヒッ」


階段の下でD組の畠山謙太が、同じクラスの女子に追い詰められていた。


「やめろ…」


「華音ね、死にたくないのー…ね、死んで?」


華音【かのん】は謙太に詰め寄る。


「カッター…?どこから…」


チキチキ…

華音の手には鋭いカッターが握られていた。


「馬鹿か…クソッ」


ふわっ

龍は助走をして階段を跳んだ。


「なっ…龍!?」


龍は校内の走り高跳び選手で、跳ぶことに関しては誰よりも抜群だけど…


「畠山伏せろ!!」


ガッ

鈍い音を立てて、華音の腹部に龍の蹴りが入った。


「ゴホッ…ゲホッ…佐藤っ…龍――」


「逃げるぞ」


「おっ…おぉ」


龍は謙太の手を掴んだ。


「待ちな…さいよ」


華音は龍たちに荒れ狂って走り出した。

龍と謙太は夏帆たちの場所と反対側の廊下に走っていった。