握られたままの右手と、
ケータイから伝わる温もりを感じる左手。
アタシの動きを止めてしまう彼の真っ直ぐな言葉と瞳。
「―――ありがとう」
それから逃げてしまいたくて、目をそらした。
「それと、連絡先教えてくれない?」
「え?」
「今度食事にでも行かない?」
不意の言葉でアタシは彼の目を見つめた。
「好きな物は何?」
彼はケータイを出して尋ねた。
「………魚料理とか好き」
「わかった。美味しいところ探しておくよ」
重ねたケータイがデータを交換し合う。
「じゃあ、連絡するよ。また今度」
彼はそう言い残して去っていった。
今度なんてあるわけがない。
アタシは今までに何度もこんな経験をしてきた。
ケータイから伝わる温もりを感じる左手。
アタシの動きを止めてしまう彼の真っ直ぐな言葉と瞳。
「―――ありがとう」
それから逃げてしまいたくて、目をそらした。
「それと、連絡先教えてくれない?」
「え?」
「今度食事にでも行かない?」
不意の言葉でアタシは彼の目を見つめた。
「好きな物は何?」
彼はケータイを出して尋ねた。
「………魚料理とか好き」
「わかった。美味しいところ探しておくよ」
重ねたケータイがデータを交換し合う。
「じゃあ、連絡するよ。また今度」
彼はそう言い残して去っていった。
今度なんてあるわけがない。
アタシは今までに何度もこんな経験をしてきた。


