大きくて温かくて、薄らと汗をかいた左手。





「何よ!?」





「ケータイ………」





まだ荒い息を繰り返している彼が吐き出すように言った。





「忘れただろ………?」





アタシのケータイを差し出した。





「………ありがとう」