振り返ると、





さっきまで一緒にいた大学生のソウタが肩で大きく息をしながら立っていた。





「足………速いんだな………」





そう言って笑う。





その苦しそうな笑顔が少しだけアタシの心を締め付けた。





「………何か用? アタシみたいなオトコオンナに用なんてないでしょ?」





言い放って振り返ったアタシの右手を彼がつかんだ。