文化祭当日。





重苦しい濁った雲が雨の降り出す匂いを、アタシ一人がいる屋上まで風に運ばせていた。





「ハル?」





時々上がる歓声に交じって声が聞こえる。





「また泣いてるの?」





クラTを着たエリーがゆっくりと近づいてくる。





「泣いてないよ。でも、何かね………」