「―――うん。大丈夫」





―――「オトコ」だからとか、





「ごめん。先、帰るね」





―――「オンナ」だからとか、





「待って!」





離れていくアタシの手を、彼はぎゅっと握った。





「これ、買ったんだ。ストラップ」





残酷なくらい温かい大きな手。





「おそろい……なんだ」





透明なイルカのチャームがついたストラップ。