アリスが帽子屋の後ろをみると、そこには面倒そうな顔をしたチェシャ猫が立っていた。





「チェシャも来ていたんですか!」





那紅琉が少し驚いたような顔をした。





「アリス、なんで勝手に逸れた」





腕組みをして壁にもたれ掛かっているチェシャ猫は欠伸混じりに言った。




「さっさとチェシャがいっちゃってたんでしょ!」





「そうだっけ?」






そう言いながらチェシャ猫は壁からはなれると那紅琉の背後にまわった。



すると那紅琉の頭に顎をのせて腕をまわすと瞳を閉じた。





「えっ!?チェシャ!?」




「ひゃあ!?チェシャ!?///」






アリスもびっくりだが抱きしめられている那紅琉本人はもっとびっくりしていて硬直状態。





「那紅琉って調度いい大きさなんだよ、だきまくらに」





「だきまくらって・・・」





呆れているアリスだったが正直チェシャ猫がうらやましいと思っていた。


アリスも那紅琉をぎゅ〜っと抱きしめてみたいと思っていたのだ。





「いいな〜・・・ん?」






突然アリスの背後から冷たい冷気が。