早速飲もうとカップを持ち上げると、とてもいい香がした。
アリスはどこかで嗅いだ匂いだなぁと思いながら口に含んだ。
そこであっ、となった。
「これ、さっきの月苺!」
「ハイッ!月苺の紅茶です。アリスよくわかりましたね!」
「とっても美味しい!
那紅琉は紅茶を容れるのが上手ねっ!」
今までは姉の紅茶が1番だったアリスだが、今は那紅琉の紅茶が1番になりそうだ。
「紅茶を容れるのは、ノエルの方がずっと上手です」
「ノエル?」
「ノエルは「那紅琉!!」
那紅琉が話している途中に男の声がしたかとおもうとそこには帽子を被った紳士的な感じの男の人がいた。
アリスの方は驚いたが那紅琉の方は全くと言っていいほど驚いていない。
「アリス、彼がノエルです」
「お、やっぱりここだったかアリス!
はじめまして。
帽子屋のノエル=フルールだ。よろしくな」
そういうと帽子屋は左胸に右手をあてて軽くお辞儀をした。
あ、なんかルーイににてるかも。仕種とか?
「あ、なんで私の名前を・・・」
「チェシャ猫から聞いた。なによりアリスは特別だからな」
特別・・・?



