食べてみたアリスの口の中には、甘酸っぱい爽やかな味が広がった。





「これ、とっても美味しい!」




「よかったです!」





「私、アリス=リデルっていうの。貴女は?」




「那紅琉=秋月です」




「那紅琉ねっ!よろしく!」






そう言ってアリスは那紅琉に手を差し出した。





「ハイッ!アリスちゃん!」




「アリスでいいわよ」




「わかりました。アリス!」






そう言って那紅琉もアリスの手をとって握手をした。




「ところで那紅琉はどうして私がチェシャの知り合いだってわかったの?」





家の鍵を取り出して鍵を開けた那紅琉にアリスは聞いた。





「アリスからはチェシャの気配がしました。それだけです」






どうぞ、とアリスに家の中に促した。


それにアリスはお邪魔しますと言って入った。





「那紅琉は気配がわかるの?すごいわね!」





「あはは、何となくですよ!すごくなんかありません」






そう言いながら那紅琉は自分がいれた紅茶をアリスの前に出した。





「ありがとう」





「いいえ」






那紅琉はアリスの前に座った。