歳はアリスと同じぐらいだろうか。
漆黒の腰よりも少し長いくらいのストレートの髪。
瞳は灰色をしているが曇りのない、銀色にも見える瞳だった。
薔薇の模様が描かれた水色の着物を着ていたが、膝上でそれはドレスのように広がっていた。
フリルがあしらわれており、着物というよりもドレスに近かった。
か、かわいい・・・!
アリスが少女を見て思った最初の感想がこれだったとか。
その少女はアリスの前まで来ると手を差し出した。
アリスも不思議に思いながら手を前にだすとアリスの掌に何かを置いた。
「これあげます。
つみたてなので美味しいですよ!」
アリスが掌をみると、そこには苺のようなものがあった。
「これ何?」
「月苺っていいます。満月の次の日に実がなるんですよ」
籠の中をみるとそこには沢山の月苺があった。
「い、いいの?」
「ハイッ!貴女はチェシャのお友達ですよね?
これはお近づきのしるしです」
「あ、ありがとう!」
笑顔で言う少女にアリスもつられて笑顔が浮かんだ。



