「一の姫は琴に優れ、その弟君は笛に優れると聞く」
高貴な手が伸びて、大臣との間を隔てる薄い御簾の端に、細く白い指がおかかりになったかと思われた、その次の瞬間には、若き帝の立ち姿が、左大臣の前に現れておいでになりました。
「朕(わたし)も、直にその優れたる演奏を聞きたいものだ」
高貴な手が伸びて、大臣との間を隔てる薄い御簾の端に、細く白い指がおかかりになったかと思われた、その次の瞬間には、若き帝の立ち姿が、左大臣の前に現れておいでになりました。
「朕(わたし)も、直にその優れたる演奏を聞きたいものだ」

