この夜の対面が、後に、一の君の運命を大きく変えて行かれることは、まだ、かの君には予想もできないことにございました。

いずれにせよ、姉君への思いは、笛藤殿がまだいとけなき男子であったころの、淡く芽吹いた恋心にございますれば、憧れにもにて、永久にかの君のうちに燃え続けたのでございます――……。