さて、宴の席を辞してお下がりになった一の君は、お庭にお降りになって、しばらくぼんやりと今宵の満月を眺めながら、あてもなく歩いておられましたが、やがて、お庭の片隅で、足をおとめになりました。 そこは、北の対のほど近く。 紅君の整えられたお庭にございます。