「姉様こそ……いかがなさったのですか。先ほどまで、母上とお庭にいらしたかと存じますが……」

一の君は、高鳴る胸を隠して、姉姫にお尋ねになりました。

「お母様が、貝合わせの遊びをしましょうとおっしゃるので、お道具をとりに参ったのですわ」

一の姫は、袖の袂で口元を隠して、お笑いになります。

「一の君、あなたもご一緒に。いかが?」