私が高校に入ると、
家計と私のために、
お母さんは夕方から飲食店で働くことになった

帰りは11時過ぎ、

姉は、三年生なのに進学はしないと、
毎日バイトか遊びで殆ど家にはおらず、

お母さんが下準備した夕飯の仕度は専ら私がやっていた。



「今日は…、
フライパンの中の魚の煮付けを温める
切ってある野菜と肉を炒める
後は、鍋の味噌汁と、
冷蔵庫の中の物を適当に…か」

学校から帰ってきて、
シンとした、真っ暗な部屋の電気を点け

テーブルの上に置かれたメモを見ながら独り言。