メールで私がバイト先のしつこい
ウエハラ先輩の話をしたとき
きっとケンジなら『兄ちゃん何も出来ずにごめんな…、でも話ならいくらでも聞いてあげるから』
なんて返ってくるんだろうなと
思っていたら、返事には

『そんなヤツ俺がやっつけてやる!
あー、傍にいれたらな…』

こう書かれていた

驚きと共に私の胸が大きく弾み
メールのやり取りで何度となく感じる動き出したこの気持ちをを止められなかった

ケンジと私は同じだと思っていた
人と向き合うこと、心を開くことが出来ないでいる
だから、どんなことがあっても『会いたい』や『傍にいたい』という言葉は二人の間で出たことのないものだったのに…


ケンジに対する私の中の違和感とこの感情は、雲のようにドンドン広がり、曇り空のままスッキリするどころか、膨らむ一方だった

同時に、今までケンジに対して抱いたことのない、私の中ではあり得ない感情も膨らんできていて、納得することが出来ずにいた