少しの沈黙の後、 やっと聞こえるぐらいの声で、 「あ、ありがと。」 へぇ、珍し。 って言うか初めてだな、コイツに礼言われるの。 何となく、そのことには触れず、 「また明日ね、生徒会長さん。」 それだけ言って、その場を後にした。 「あれって藤崎だよな?」 「一緒にいたのって・・・・・・藤崎の女?」 暗闇の中でニヤリと笑った二人の男。 この時、俺は近くにいたコイツらの存在に気がつかなかった。