誰かが、豪雨の中に、 立ってこちらを向いている。 声が出なかった。 影が傍に来た。 見たことのある顔。 一緒に怪しげな格闘技を習っていた、 奴。 「キリカ?」 突然呼ばれて、 あたしの口から悲鳴が漏れた。 「どうした?」 けれど、声は室内からで、 ソウマのもので。 振り返ると、 すぐ後ろにソウマがいた。 「誰?」