速度が出過ぎている。どこへ向かって飛んでいるのか。

真っ白い筋を引いてロケットのように高空へ昇った弐号機は――

一閃。

腰から主装備の大太刀・斬鬼刀を振り抜いた。

白銀の閃きは、音速にでも至ったのだろうか。

見えたのは、弐号機が大太刀を構えたのと振り抜いたあとの、ふたつの構えだけだった。

上空で斬り裂かれたのは、なんだったのかわからない。いびつな断末魔がレンにまで聞こえた。

その、直後、

『木佐木少尉!』

「! 支倉!!」

通信が、入った。

『今、弐号機に上空にいたベルヴァーを撃破させた!』

(上空の?)

そんなのは、聞いていない。

だが――

『ワイアームのバリアはもう発生しない!! 目標を撃滅しろ!!』

「――了ぉぅ解ぃっ!!」

レンにしてみれば、結果として目の前の化け物ムカデをぶっちめられれば、なんでもよかった。