=Guildius・Machina=

打つ手が思い浮かばない支倉は、

『――なら、僕が手を貸してもいいだろ』

聞き覚えのない声に、眉をしかめた。

男の、青年の声である。

東海林少佐も、オペレーターの三人も、管制室のスタッフすべてが、再びのどよめきを隠せない。

「だれだ貴様は……所属はどこだ。なぜ、ギルディウスに乗っている!!」

なぜなら――通信回線は、ロールアウトされたばかりの、弐号機からだから。

謎の搭乗者は、顔を見せるつもりはないらしい。666共有回線で表示された小ウィンドウには、『VOICE ONLY』の赤文字が出ていた。

作戦中は、すべてのスタッフが担当の部署で担当の業務についている。

A級戦闘配置中に、例外はない。

「部外者か……」

すばやく判断した支倉は――

「貴様、ギルディウスに搭乗しているということは、システム稼働はすでにできているんだな?」

「「「!?」」」

「司令!?」

東海林小佐のみならず、再三みなを驚かせた。

声は、コックピット内を眺めているのだろう。

微妙に途切れ途切れな応答が返ってくる。

『ああ。よく、わからないが、起こしてはある』