「~~っ、言われなくてもぉ……っ!!」

レンの負けず嫌いに、火がついた。

鋼鉄の巨人を走らせながら、ミサイルを撃ち出す。地表を爆破し、おびき出す作戦だ。

が、ワイアームはミサイルが地表に当たる前に再び、自らその強面を表した。真正面から、望むところとばかりに、ミサイルへ突進してくる。

炸裂音と、空間のたわむ衝撃が、轟いた。ドゥンという爆音が、一拍遅れでついてくる。

「くっ……!」

ギルディウスを踏ん張らせたレンは、

「うっわ!?」

目前、濛々広がる黒煙を押し分け、ワイアームが突貫してきていることに驚いた。

ミサイルの集中攻撃を食らっても、びくともしていない。いかつい牙も健在である。

「っ、の、くそ……!!」

ワイアームの頭部は、それだけでギルディウスと同じ高さがある。口を開ければギルディウスは無論、高層ビルも丸呑みという大きさだ。

それが、今、目の前に。

大口を開けて。

「――ぁぁぁぁあああ!!」

バーニア全開で、レンは立ち向かう。

腰と足のミサイル、肩のガトリング砲を射ちながらだったが、いずれもワイアームまでは届かない。すべてその直前で、得体の知れないバリアに阻まれている!