人の声を聞かなくなってから、いったい何時間だろうか。いや、何日だろうか、といったほうが相応しいのかもしれない。

実際には何年にも感じるほど長い時間を過ごした気もするが、……恐らく、あくまで数日しか経過していないだろう。

何時間か、何日か、何年か……ある意味、どれでも構わないほど、感覚が麻痺している。

静寂とした空間、陰湿な雰囲気、目を閉じても開いても漆黒以外を見出すことのできないそこは、暗い暗い独房。

人間がいったいどんな声で話、感情をどんな風に表すのか、よく思い出せない。それくらい長い時間を、孤独な闇の中で過ごしているような気がする。

なにせ真人はいま、手首の痛みすらも意図的に闇の中へ忘却しているのだから。

手首の痛み――そう、壁から繋がれた鎖、その手枷が、真人の手首に食い込んでいた。血が滲み、鉄が黒ずんでしまっているのは彼の努力、あるいは無謀なる反逆の結果である。