最初の印象通り――おもしろい。

理由もない興味から、彼を見つめた。

その口が動き、

「――だ」

なにかを、言っている。

明確に聞き取れないのは、ギルディウスの集音回路が悪いのではない。

男の声が小さいのだ。いや、レンがただ視覚に集中しすぎていた。

「ああなになに、なんか私に用なのかにゃ?」

「……じゃない」

「うにゅ?」

「お前じゃない。僕はそれがほしいんだ」

つい小首を傾げる。ツインテールが揺れた。

「そ、れ? ――ギルディウスのこと言ってんの?」

「ギルディウスって言うのか、そのデカぶつ」

少し、驚く。いや、呆気に取られた。

この男は、ギルディウスを知らずしてほしいと言うのだ。

いいや――まったく知らないわけではないだろう。

ベルヴァーに対抗できる兵器であることは、予測できているに違いない。

が、この兵器がどんな代物なのか、ギルディウスのパイロットになるのがどういう意味かまで、理解していないに違いない。

(でも、おもしろいや)

だから、レンは言ってやった。

いつの間にか足元にまで来ている男へ、

「じゃあさ、一緒に来る?」

手を伸ばした。ギルディウスの。