「タリィ・・・」
梓が呟いた。
「十回目・・・」
結花が、返した。
今は、体育祭の練習中・・・。
「集まれ〜〜」
先生の覇気のない声がして、みんなが一ヵ所に集まった。


先生は、バトンを渡す練習をするって言って、青いバトンを渡してベンチに腰かけた。
「質問いいッスか?」
梓が、沙紀に言った。
「何?」
沙紀は、梓を見た。
「私はどこだっけ…?」
梓が苦笑いしている。
「知らないから。」
沙紀も苦笑いする。