アザレアの花束を




俺の存在で愛が苦しんでいるのなら、



俺が愛を解放してあげなくちゃ。





「私、呂依のこと好きだよ……。呂依は違うの……?」





涙声になりながらも必死に訴える愛。


この苦しさで、俺は死ぬんじゃないかと思った。



俺は首を横に振る。


それが今の俺にできる、たったひとつのことだった。



「じゃあ、なんで言葉にして言ってくれないの……?」



今、愛に酷いことをしていることはわかってる。


だけど、このまま俺といればもっと苦しくなるのもわかる。



再開したとき、愛はずっと探してくれていたんだろう?


だからこんなに人気の少ないところにいたんだろう?


暗い夜は恐かっただろう?


ひとりで彷徨っているのは恐かっただろう?




それも、今日で終わりにしよう。




「愛……」




彼女の名前を呼ぶとき、あることが俺の頭をよぎった。