アザレアの花束を



心の中に虚しさが広がっていく。


彼女の体温が無くなっても、
血に吸い付く俺がいた。



血の味はとても美味しいとは思えなくて。


だけど、
力がみなぎっていくのを感じる。



どうして。



女の肩に雫が垂れた。


何だと思い、
視線を向けると


それは真っ赤な血だった。






俺は泣いてはいなかった。