「呂依」 俺がそう言うと、 彼女は繰り返す。 「呂依」 彼女にそう呼ばれただけなのに、胸が飛び跳ねた。 「私の名前は、愛(アイ)よ」 俺は、さっきの彼女のように名前を呼んだ。 「愛」 すると彼女は微笑んだ。 つられて、 俺も笑ってしまった。 それから、 愛は俺にいろいろなことを聞いてきた。 例えば “どこに住んでいるの?” “誕生日はいつ?” とか。