アザレアの花束を



俺は思わず呟いた。



「……すごい」



そして、手の痕は完全に消えていた。



男はそれを終えると、何も無かったかのようにベッドに腰掛けて眠りにつく。



冷めた男だと思っていた。



だけど

さっきの彼はカッコイイと思った。


そのときから

俺は彼を少し見直した。



いつも冷静でクールだけど、あんなに慌てる様子を見ると、

そうでもないのかな、と思ったりもする。