外で車の音がした。


悠翔さんが帰って来たんだ。



「雪?悠翔さんが帰って来たみたいよ」



キッキンからお母さんが言った。



「……うん」


「出迎えてあげたら?」


「……や、やだ…」



私はそう言うと、急いでリビングを出て、2階の桜の部屋に行った。


ドアにもたれて座り込んだ。


しばらくして、階段を上がってくる音がした。


足音は桜の部屋の前で止まった。



「雪?」



悠翔さんだ。


ドア1枚隔てた向こうに悠翔さんがいる。


私の気持ちとは裏腹に胸が"ドキドキ"していた。