お母さんの言うこともわかる。
だけど……だけど……。
電話の向こうから聞こえたのは、悠翔さんを"悠翔"と呼び捨てで呼んでた女性で……。
「学生時代の友達かもしれないじゃない。もしかしたら保育園で久しぶりに会ったのかもしれないでしょ?悠翔さんくらいの年齢の人なら結婚して子供がいてもおかしくないし」
「……うん」
「それに雪は見たわけじゃないんでしょ?」
「……うん」
「疑うのは可哀想よ。悠翔さんのこと信じてあげなきゃ」
「……うん」
悠翔さんは浮気なんかするような人じゃない。
そう信じたい。
だけど、心のどこかで"もしかして"と疑ってる私がいる。