【続】貧乏姫と金持ち王子





『もしもし?』


「悠翔さん?雪だよ。さっき家に電話したら留守電だったから……」


『あ……うん、ゴメンな…』



ん?


何か悠翔さんの様子がおかしい。


電話の向こうで子供の賑やかな声が聴こえる。



「もしかして……運転中だった?」


『いや……。雪?また後で電話するよ』


「あ、うん…」



運転中じゃないのに、早く電話を切りたがるなんておかしい…。


その時――。


電話の向こうで女性の声が聴こえた。


それと同時に"ガチャガチャ"という音。


悠翔さんが電話を手で押さえたんだ……。


"ピッ"


私は咄嗟に電話を切った。


胸が"ドキドキ"して、変な胸騒ぎがして……。


"ねぇ…悠翔~"


と、女性の声が確かに聞こえた。


どうして?


悠翔さんの名前を呼び捨てで呼んでた女性。


一体、誰なの?