「由香……悪いけど……」
断ろうとした時、由香と手を繋いでいた男の子が俺の方に来た。
「聖夜くんと紗雪ちゃんのパパ?蒼太んちに来て?」
由香の子供はソウタっていう名前なのか……。
「蒼太くん…。ゴメンな……蒼太くんちには行けないんだよ…」
俺はしゃがんで蒼太くんの頭を撫でた。
「どうして?」
「こら、蒼太、迷惑よ」
由香が蒼太くんの手を取ろうとしたけど、蒼太くんはそれを拒否した。
「イヤだ!蒼太んちに来て欲しいの!」
泣きそうな顔になる蒼太くん。
「蒼太、ワガママ言わないで?ねっ?」
蒼太くんにそう言うと、俺の方を見て「ゴメンね」と困った顔をして由香が言った。
―悠翔Side end―



