しばらくして悠翔さんが聖夜と紗雪を抱っこして下りてきた。
聖夜と紗雪はお揃いの服を着てる。
悠翔さんはスーツじゃなくて、パーカーにジーンズというラフな格好。
「悠翔さん、スーツじゃなくていいの?」
「あぁ。俺、今日は元々休みだから。会社には直井くんに用があって行くだけだし」
「そうなんだ」
悠翔さんが休みの日は、直井さんが責任者になるみたい。
「じゃー行って来るね。聖夜、紗雪、ママにバイバイは?」
悠翔さんがそう言うと、聖夜と紗雪は手を上げて、手をグッパーグッパーしながらバイバイしてくれた。
「行ってらっしゃい」
「行って来ます」
悠翔さんが唇に軽くキスしてきた。
子供が生まれても"行って来ます""お帰りなさい"のキスは欠かしたことがない。
玄関まで見送って、私はリビングに戻った。