「あっ!名前なんだけど……」
「考えた?」
「あぁ、一応な。雪が賛成してくれたら、俺が考えた名前で出生届を出すから」
赤ちゃんの名前は、悠翔さんに決めてもらおうとお願いしていた。
赤ちゃんの名付けの本を何冊も買って、仕事の時もずっと考えてたみたい。
「教えて?」
「あぁ」
悠翔さんはスーツのポケットから1枚の紙を出した。
それを広げて、私に見せてくれた。
紙には男の子と女の子の名前がひとつずつ書いてある。
「聖なる夜に絹のような美しい雪が降るで"聖夜"と"紗雪"ってどうかな?紗雪の"紗"の字は地の薄い絹って意味らしいんだ」
「素敵な名前」
「雪は賛成?」
「もちろん!紗雪の雪の字は私と同じだ」
「そうだな」
悠翔さんと私は笑い合った。