「そ、そうよ。蒼太は悠翔の子よ。悠翔と別れた後に妊娠がわかったの」
「証拠は?」
「証拠なんてないわ」
「じゃー俺の子って認められない」
「あの子は悠翔の子よ!母親の私が言ってるんだから間違いないわ!」
由香が俺を見る。
「なぁ?由香?」
「何?」
「そこまで言うんだったら検査しようか?」
「検査?どうして?」
「血液検査でもDNA検査でもして、もし俺の子供だって結果が出たら認知もするし蒼太くんが20歳になるまで養育費を出す」
「検査なんて必要ない!さっきも言ったでしょ?母親の私が言ってるんだから間違いないって!」
はぁ……。
俺は溜め息をついた。
「だったら蒼太くんが俺の子供だって認めるわけにはいかないな……」
そう言った時だった――。
玄関が開いて、蒼太くんが部屋の中に入って来た。



