部屋の中に蒼太くんの姿がない。 「あれ?蒼太くんは?」 「えっ?あ、あぁ…実家に行ってるの」 「そっか……」 由香の態度がおかしい。 玄関をチラチラ見たり携帯を気にしたり。 「なぁ?由香?」 「ん、ん?」 「蒼太くんが俺の子ってホントか?」 「えっ?」 由香が一瞬、目を逸らした。 その時、俺は確信した。 由香が嘘をついてることを――。