悠翔さんと手を繋いで歩く。



「懐かしいな」


「うん」



悠翔さんも覚えててくれてたんだ。


初めての給料で買ったパンプスのヒールを側溝の蓋に挟まって取れなくなって困ってた時に、悠翔さんが助けてくれたんだったね。


あの時は最悪だと思ってたけど、でも今はいい思い出になってる。



「ここの側溝の蓋にヒールが挟まっちゃったんだよね」


「そうそう。あの時、雨が降ってきたんだよな」


「そうだったね」



私たちは側溝の蓋を見て笑いながら話した。


そしてショッピングモールの中に入った。