15の夜はティラミス・ガールズと共に

 「そうねぇ」
 『ティラミス・ガールズ』と名づけられた双子は、ティラミスを口に運びながら頷いた。

 
 「…まったく…。俺は何を言ってるんだろう?」
 寿はフォークを持ち直して、ティラミスに取り掛かった。


 三人は黙々とティラミスを食べ続けた。


  ……… 
 
 「つまりさ」
 先に食べ終わった美幸は言った。
 「世界には“君の一部”が思ってるほど、“無思慮”が転がってるワケじゃないって話じゃない?」


 「“無思慮”?」


 「音楽や商品や絵がどうであれ、つまりそれが“商業主義の酷いモノ”であってしても、それを享受する人々には血が通ってる」